変形性股関節症による腰痛と股関節痛~人工股関節置換術後ゴルフ復帰までの4か月19日~

60代男性 スタジオONE東京本店のお客様

CONDITIONS AND PROBLEMS

初回相談時点の状態とお悩み

● 車から下りる時と、靴下を履くときに右股関節の痛みがでる
● 右腰の違和感で、膝がカクっと力が抜ける感覚がある
● 突発的に、右太もも外側や右膝に痛みが出ることがある
● 長時間座ったり、運転したりしたあとに、右腰と右股関節に痛みが出る

ROAD TO RECOVERY

回復までの道のり

悩みを抱えていた部位
●右腰(右の仙腸関節※)
※仙腸関節(せんちょうかんせつ:骨盤のせんこつとちょうこつをつなぐ関節)
●右股関節
●右膝
●右太もも外側(右腸頸靱帯)
●手術後に、左股関節に痛み・違和感(手術前に右をかばっていた疲労が原因)
回復に要した時間
人工股関節置換術(以下、術後)14日後:
・手術前に痛みのあった右の仙腸関節、右腸頸靭帯の痛みなし⭕️
・階段の上り下り問題なし⭕️
・右股関節をかばっていた分、左股関節に違和感(このときの違和感を「10」とする)

術後22日:
・歩行時に、右太もも外側(右腸頸靱帯)の膝のあたりが痛い
・寝返りがうてるようになった⭕️
・爪切りができるようなった⭕️
・靴下が履けるようになった⭕️
・ズボン履けるようになった⭕️
・坂道の上り下りの歩行問題なし⭕️

術後46日:左股関節の違和感、「10→5」

術後65日:左股関節の違和感「10→0」⭕️

術後111日:ゴルフ再開まで回復
受講セッション
リカバリープログラム:手術後1か月目計3回
2か月目計3回
3か月目計3回
4か月目計2回でゴルフ再開まで回復
※現在5年目、月2回にて継続中
実施した自宅トレーニング
◎リカバリー体操

①仙腸関節(せんちょうかんせつ:骨盤のせんこつとちょうこつをつなぐ関節)ストレッチ
②足首バイバイ(足首を左右に動かす)
③すねほぐし・はがし
④脊柱回旋ストレッチ
⑤腸頸靭帯(ちょうけいじんたい:太ももの外側に存在し、骨盤の上から膝下までをつなぐ靱帯)ほぐし
⑥前鋸筋(ぜんきょきん:肋骨のサイドに1本ずつ付く筋肉)ほぐし
⑦リカバリーカーフ(ふくらはぎの柔軟性の回復)
⑧ストレッチポール3種の体操(肩甲骨の6つの動き、姿勢の回復)


◎リカバリートレーニング
加圧トレーニングにより、全身の血流を促し傷の回復、柔軟性の向上、筋力強化をはかる。

①プッシュアップ
②アームカール
③スクワット
④バランスボールレッグカール
⑤ヒップレイズ(内ももミニボール)
⑥ダンベルフライ4キロ
⑦プルオーバー4キロ
⑧BOSU両足上げバランス
※BOSUとは、バランスボールの素材で半球型、一面は平らな器具。主に、バランスや、インナーマッスの強化に用いる 

RECOVERY PROGRAM

回復プログラムの内容

見極めの
ステップ

【からだタイプ】

首:左首こり
肩:左肩こり

背中:右腰からの影響で痛みあり
腰:右腰に痛みあり

股関節:右股関節鼠蹊部、腸腰筋に痛みあり

足:右膝に痛みあり

【からだの歴史】

● 中学のとき、騎馬戦で落とされ尾てい骨捻挫
● 大学のとき、ギックリ腰

● 2016年11月左坐骨神経痛

● 2019年6月27日ゴルフ後に右股関節痛

【原因の見極め(仮説)】

●右変形性股関節の影響から右腰、右腸腰筋、右股関節に痛みと、右股関節の歪みの影響から左肩、首こりが見られる。
●骨盤、腸腰筋、股関節の右側の動きに制限がかかっていた影響から、右膝(とくに外側の腸頸靱帯)へその分の負担がかかっている


【プログラム組み立て前チェック】

◎チェック

・歩行の確認
・カウンセリングを行い、からだの状態を確認

・歩行・カウンセリング・施術から、からだの右股関節の可動域、腰や膝など痛みの状態を確認

◎結果
・右股関節の6つの動きの可動域の中で、3つの動きに制限があった
・左腰、左股関節は問題ないが、左に体重を乗せる癖は、「脳の設定」が影響しているため、「リカバリーブレイントレーニング」が必要

・右をかばった動作からの疲労で、左腸腰筋、左腸脛靭帯(股関節から太ももの外側)硬さを取り戻す、「リカバリー体操」が必要
・ゴルフ再開までを想定し、まずは大筋群、小筋群と部位毎のトレーニングを行い、つぎに全身を使った「リカバリートレーニング」へとステップアップが必要

回復の
ステップ

【回復プログラムの決定】

日常動作における正しい体の取扱い方、腰痛、股関節痛の再発がなくなることを目標に回復プログラムを決定


①正しい体の取扱い方
「立つ・座る・上る・下りる・しゃがむ・かがむ」
6つの動きが関節可動域に沿って、正しく行えるか?
痛みや不調はないか?
筋力と柔軟性は問題ないか?
を確認した結果、6つの動き全てにおいて、右側の痛みから、左に頼ってからだを使っていたため、左右のバランスを整えるメニューを組み立て。


②リカバリー体操
右変形性股関節症の影響を考えて、はじめにからだの『中枢』部分で、起点となる仙腸関節と腸腰筋からリカバリー体操を開始。そのあと日常生活、ゴルフに必要となる柔軟性の回復のために『末端』の足首までリカバリー体操を実施した。


③リカバリートレーニング
片方の股関節をかばうとからだに左右差が生まれ、バランスが崩れるため、からだのタイプから、まず対角線の筋膜ラインへアプローチするクロス腹筋・クロス背筋で筋力、柔軟性、左右差をチェック。
そのあと、大筋群(胸、背中、脚、お腹)から小筋群へのトレーニングへとステップアップ。

【自宅での回復プログラム】

◎リカバリー体操
①仙腸関節(せんちょうかんせつ:骨盤のせんこつとちょうこつをつなぐ関節)ストレッチ(のばすことで固さを取り、筋肉・筋膜・関節の動きを取り戻す)

②足首バイバイ(足首を左右に動かすことで、内側30°、外側20°の正常な動きへ回復を促す)

③すねほぐし・はがし(すねの骨の外側にある前脛骨筋をほぐす・はがすことで、足首・膝・股関節・骨盤が正しい運動連鎖を回復させる)

④脊柱回旋ストレッチ(背骨と骨盤を左右に捻ることで、正常な歩行、ゴルフのスウィング動作へと回復させるストレッチ)

⑤右腸頸靭帯ほぐし・はがし(リカバリーボールで太ももの外側をほぐす・はがすことで、正常な股関節の動きへと回復させる)
※手術前の痛みではなく、人工股関節置換術後に起こりやすい傷口周りの硬さが原因で起こる痛みや不調の改善

⑥前鋸筋ほぐし(脇の下の筋肉でバンザイの動き肩甲骨の動きに必須な筋肉、日常生活、ゴルフの動きに必須)

⑦リカバリーカーフ(つま先が20°上がらければならない動きの回復、術後の足首の固さを回復し、歩行をスムーズにするリカバリー体操)

⑧ストレッチポール3種(正しい姿勢、左右の柔軟性の違いが明確にわかるリカバリー体操)

それぞれの体操を適圧のレベル(もっともやさしいレベル)からスタートし、毎日ご自宅で行っていただきました。

月2〜3回のセッションでからだの状態を確認し、リカバリー体操のレベルアップ、メニュー追加、変更を行いながら回復を目指しました。

◎大筋群のトレーニング
①プッシュアップ
胸の筋肉を鍛える種目、日常生活、ゴルフにおけるパフォーマンスアップ種目

◎小筋群のトレーニング
②アームカール
ゴルフ肘の予防にもつながる種目

◎全身を使ったリカバリートレーニング
③スクワット
脚の筋力の回復、脚の筋力の左右差を整え、ゴルフのパフォーマンスアップつながるBOSUスクワットも同時に実施

④バランスボールレッグカール
骨盤を正しい位置へ整えてくれる脚のインナーマッスル、左右差がわかるバランスボールで実施することで、手術前の癖を整える

⑤ヒップレイズ(内ももにミニボール挟んで行う)
日常生活であまり使わない内ももの筋力の強化。手術後は股関節の安定に必須で、ゴルフ・O脚の予防にも必要なため最重要。

⑥ダンベルフライ 4キロ
胸の柔軟性と筋力を同時に養えるトレーニング種目。肩こり、首こりにも効果があり、正しい姿勢への近道。

⑦プルオーバー 4キロ
背中、肩甲骨の柔軟性と筋力を同時に養えるトレーニング種目。肩こり、首こりにも効果があり、正しい姿勢への近道。

⑧BOSU両足上げバランス
腹筋を鍛えながら骨盤の位置を整えられる優れた種目

【リカバリープログラム受講】

●月3回リカバリ―プログラムを受講
 
・ヒアリング(からだの状態、過ごし方:睡眠・仕事・活動など)
 
・リカバリー体操の確認・修正・変更(動画を撮りながら、トレーナーと一緒に実施)


●6種類のからだの正しい取扱い方を意識した生活


●自宅での「リカバリー体操」

・1日1回〜3回毎日取り組んでいただきました

●自宅での「リカバリートレーニング」
・1日1回毎日取り組んでいただきました

【改善の軌跡】

◎術後14日:
・手術前痛かった右仙腸関節、右腸頸靭帯の痛み「10→0」
・右をかばっていた分、左股関節に違和感(このときの違和感を「10」とする)
※手術前からのリカバリーにより、関節、筋肉共に正常な状態へ保てていたため手術後には即回復に至った。
手術前痛みがあった原因としては、右変形性股関節症の歪みの影響から仙腸関節、背骨へ負担がかかり痛み、及び痺れが出ていた。

◎術後46日:左股関節の違和感、「10→5」

◎術後65日:左股関節の違和感、「10→0」

◎術後111日:4か月19日ぶりのゴルフ再開、多少、腰と前腕に違和感があるも18ホール達成。

AFTER RECOVERY

回復後の様子

現在も、月2回継続中。全身のメンテナンスのための「リカバリー体操」、「リカバリートレーニング」のメニューと共に、ゴルフパフォーマンスアップのための筋力トレーニングを実施中