日常生活の姿勢や動きは、腰痛に大きく影響します。
「立つ」「座る」「上る」「下りる」「しゃがむ」「かがむ」
この6つは、とくに、日常の中でも何度も繰り返す姿勢や動きのため、腰痛と深く関係しています。
「しゃがむ」は、モノを拾うとき
「かがむ」は、モノを持ち上げるとき
というと、具体的にイメージしやすいと思います。
また、「しゃがむ」「かがむ」は、ともに、足首、膝、股関節を曲げて、腰を落とした姿勢ですが、「しゃがむ」状態で歩くことはできない、「かがむ」状態は歩くことができる、のが違いです。
じつは、からだには取り扱い方のルールがあります。
6つの姿勢や動きは、一見同じ動きに見えても、それぞれに、腰痛になりにくい動き方と、腰痛になりやすい動き方があります。
正しい取扱い方のルールに沿って動けていれば、腰痛予防になりますが、間違った取り扱い方で動き続けていると、腰痛の原因になってしまいます。
日常で無意識に繰り返す、6つの動きを正しいからだの取り扱い方でできることが、腰痛予防・改善に一番大切であり、近道なのです。
以前は、「立ち方」「座り方」について、
正しい=腰痛になりにくい姿勢と、
間違った=腰痛になりやすい姿勢を、それぞれ解説しました。
「立ち方」「座り方」についてのコラムはこちら ☞ 姿勢改善しませんか?腰痛予防・改善に必須の「立ち方」「座り方」
今回は、階段を「上る」「下りる」動きと、「しゃがむ」「かがむ」の4つの動きについて紹介します。
「上る」「下りる」「しゃがむ」「かがむ」の4つの動きは、「立つ」「座る」に比べて日常での時間的な割合は少ないかもしれません。
しかし、荷物を持って階段の「上り」「下り」を行う、「しゃがむ」「かがむ」状態から、モノを持ち上げる場合は、その重さの分も支えながら動くため、腰にかかる負荷は「立つ」「座る」以上に大きくなります。このため、腰痛予防・改善のためには、軽視することはできない動きなのです。
まずは、ご自身がいまどんなからだの取り扱い方で4つの動きをしているか、チェックしてみませんか?
この記事はこんな人に役立ちます
腰痛に悩んでいて、以下の項目に心当たりがある方
・階段の上り下りで、腰や膝、股関節が痛む
・手すりがあると掴まって階段を上ってしまう
・重いモノを持ち上げようとして、ギックリ腰になった経験がある
・介護、育児、ペットの世話などで腰痛に悩んでいる
・畑や、園芸が好きだけれど、腰痛に悩んでいる
・モノを拾うとき、膝を曲げないで拾うクセがある
正しいからだの取り扱い方で日常生活を送ることが、腰痛改善・予防の第一歩
腰痛対策を行っているのに、なかなか腰痛が良くならないという方は、もしかしたら日常生活のからだの取り扱い方が間違っているかもしれません。
なぜなら、一時的に治療やマッサージ、ストレッチや運動などで回復しても、それ以外の多くの時間を過ごす、からだの取り扱い方が間違っていれば、根本的な解決にはならないため、すぐに痛みが戻ってしまうからです。
腰痛には、さまざまな原因が考えられますが、幼少期から日常生活で繰り返してきた6つの姿勢と動きを、正しく行えていないことで、腰に繰り返し負担がかかることが、腰痛の大きな原因のひとつです。
腰痛を予防・改善したいと願うならば、6つの姿勢と動きを正しいからだの取り扱い方のルールで行えるようにすることは、腰痛の対処法を探す以前に大切な、腰痛回復の第一歩なのです。
正しいからだの取り扱い方が、腰への負担を最小限にできる理由
「立つ」「座る」「上る」「下りる」「しゃがむ」「かがむ」、6つの姿勢と動きの中で、腰が起点になるものは1つもありません。
ではなぜ、6つの姿勢と動きが腰痛と関係するのでしょうか?
そもそも腰は負担がかかりやすい
まず、腰は、腹筋と前後で対になって背骨を支えています。この、腰とセットで動く腹筋こそが、6つの動きだけでなく、すべての動きの起点となっています。
もし、すべての動きの起点となる腹筋がうまく機能していない場合、その分の負担までをダイレクトに負うことになってしまうのは、腰です。
さらに、腰の上下に位置する、肩甲骨・骨盤は、それぞれ対になって動きます。肩甲骨・骨盤が動くことで、背骨が動き、腰まわりも固まりにくくなります。しかし、荷物を片側で持つクセ、足を組むクセなどで肩甲骨・骨盤ゆがみがあると、肩甲骨・骨盤の動きは制限され、腰はその影響を受けて固まりやすくなってしまいます。
このように、腰は他の筋肉や関節からの影響を受けやすく、そもそも負担のかかりやすい場所なのです。
正しいからだの取り扱い方で、腰への負担を最小限にできる理由
ここで、すべてにおいて重要なのは、骨格に合った位置で関節を使うことです。こうすることで、腹筋をはじめとして、本来使われるべき筋肉と関節が自然と使われます。
腹筋を中心に、全身の各筋肉や関節がしっかり手を取り合って、役割分担できた状態で動くことができれば、繰り返しても、腰だけでなく、各筋肉や関節への負担を最小限に、痛みなく続けることができます。
しかし、骨格に合っていない、間違った位置で関節を使っていると、腹筋や、本来使われるべき筋肉も機能しにくくなります。こうなると、腹筋と前後で対になってからだを守る腰は、機能していない腹筋や、ほかの筋肉や関節の負担を負うため、腰痛の原因となってしまうのです。
そもそも負担のかかりやすい腰へ、ほかの筋肉や関節からの余計な負担を最小限にするためには、腹筋や、トレーニングを行う以前に、正しいからだの取り扱い方で動くことが最優先になります。
なぜなら、たとえ腹筋を強くしてたとしても、間違った使い方をしていれば、繰り返す動きの中で、腰への負担はかかり続けてしまうからです。
腰痛になりにくい、正しい階段の上り方
階段を上る動きは、日常生活の動きの中でも、下半身への負荷が高い動きです。正しく階段を上ることができると、腰痛や膝痛のリスクが軽減されるだけでなく、骨密度アップにも繋がります。
正しい階段の上り方
腰痛になりにくい階段の上り方ができているかどうかのチェックポイントは、下記の3つです。
- かかとからついている
- 上半身を前傾させて、背骨と脛(すね)が並行になる
※片足で踏み込むとき、あごの下に膝がくる - 膝・つま先の向きが揃っていて、膝・つま先・股関節が一直線上にある
これが、人間の骨格の構造上、関節や筋肉にもっとも負担がかかりにくく、腰痛になりにくい階段の上り方です。
間違った階段の上り方
間違った階段の上り方をしていると、腰痛だけでなく、膝痛のリスクも高くなってしまいます。
じつは、歩くときは体重の3倍、階段を上るときは体重の7倍の重さが膝にかかるともいわれているからです。
ほんの少し膝の位置が間違っていることで、痛みの原因になっている可能性もあるため、間違っている場合は、早く改善したいものです。
間違った階段の上り方は、以下の3つのポイントです。
- 上半身が前傾していない、または背中が丸まっている(×)
- 膝が内側に入っている、または、外側に逃げている(×)
- 上半身が左右どちらかに傾いている(×)
ここから、なぜ間違った階段の上り方が腰痛になりやすくなってしまうのか?をひとつ一つ解説します。
1.上半身が前傾していない、または背中が丸まっている(×)
1つめの「上半身が前傾していない、または背中が丸まっている」上り方は、本来使われるべき、腹筋やお尻の筋肉が使われず、その分の負担が腰や膝にかかって痛みの原因になります。
とくに、背中が丸まっている方は、お尻が使われないだけでなく、かえって首や腰に負担がかかってしまいます。上半身はまっすぐのまま前傾させましょう。
つい手すりに摑まってしまうのは、要注意
ケガなどが原因で、一時的にでも、手すりなどに掴まって階段を上る動きをしていたことがある方や、つい手すりがあると掴まって階段を上ってしまうという方は、要注意です。
手すりに掴まって階段を上ると、腹筋が入りにくくなり、お尻の筋力も使われず、片側に体重がかかりやすくなります。上半身もまっすぐのまま前傾しにくくなるため、腰痛のリスクと共に、腹筋やお尻、足の筋力低下にもつながってしまいます。
じつは、ケガが治ったあとも、ケガをしているときのからだの動かし方が、脳の記憶として残ってしまっていることがあります。
このため、ケガが治って、手すりを使わなくなってからも、無意識に、上半身をまっすぐ起こしたまま階段を上っている場合は、その負担は腰や、膝にかかり、腰痛・膝痛の原因となってしまうこともあるのです。
2.膝が内側に入っている、または、外側に逃げている(✕)
2つめの「膝が内側に入っている、または、外側に逃げている」上り方は、なぜ腰痛、膝痛のリスクがあるのでしょうか?
前述のとおり、歩くときは体重の3倍、階段を上るときは体重の7倍の重さが膝にかかるとも言われています。
また、膝は正しい骨格の位置で上下からかかる負荷には耐えられますが、ねじれや、横から加わる力には弱い構造になっています。このため、ただでさえ体重の7倍かかるといわれる膝への負担が、弱い膝の内側や外側にかかることで、過剰な負荷となり、痛めやすくなってしまうのです。
さらに、間違った上り方を続けていると、膝痛だけでなく、股関節痛や、外反母趾、内反小趾といった周りの関節へも影響を及ぼすこともあります。
正しい上り方ができていても、体重の7倍もかかるといわれる膝への負担が、腰痛や膝痛だけでなく、さまざまな痛みの原因となることからも、正しい上り方がいかに重要か?想像いただけますでしょうか?
3.上半身が左右どちらかに傾いている(×)
3つめの「上半身が左右どちらかに傾いている」上り方は、荷物を片方だけで持つクセや、足をどちらかだけ組むクセなどの影響で、からだの中にゆがみがあることが原因と考えられます。
骨盤・背骨・肩甲骨のゆがみの影響は、腰痛に直結しますので、早めに改善するのが理想です。
正しい階段の上り方のチェック方法
お尻に手を当てて、上の段にかけた足の方のお尻が、踏みこんだときに、キュッと硬くなったら正しく上ることができているサインです。
正しい上り方(〇)と、間違った上り方(×)を比べると、お尻の筋肉の使われ方がまったく違うことが分かりやすいと思います。
お尻の筋肉を自然に使えるためのポイントは、股関節から上半身を前傾させること。片足で踏み込むとき、あごの下に膝がくるのが目安です。
ぜひ、鏡の前などでチェックしてみてください。
左右のゆがみを整える、リカバリートレーニング法
左右のゆがみは、背骨・肩甲骨・骨盤の動きを制限し、その中心となる腰まわりの動きも制限され、腰痛の原因になります。
まずできる予防策として、荷物を片側だけで持たないよう、左右持ちかえる、リュックに変えるといったことが、重要なアプローチになります。
しかし、片側で荷物を持つことが避けられない場合は、バランスボールを使ったリカバリートレーニングで、ゆがみを整える方法を紹介します。
行うタイミングは、重い荷物を持った日は、ゆがみが定着する前になるべく早いタイミングで、できればその日のうちに、左右のゆがみをリセットするのが理想です。
ゆがみを整える、バランスボールを使ったリカバリートレーニング
- バランスボールに両足を揃えて座ります。
- 1分間、上下に弾み続けます。
理想は、手は広げてバランスを取るのではなく、太ももの上か、からだの横に脱力した状態で下ろします。こうすることで、自然とからだの腹筋を中心とした体幹に軸が整ってきます。
◆注意点:ボールから落ちたり、周囲にぶつかるものがないか注意して行ってください。
◆ポイント:力を抜くこと。とくに手、腕、肩に力が入ると体幹に力が入りにくくなり、ゆがみが整いにくくなってしまいます。あえて一度肩を上げ、手先までギュっと入れてから脱力すると自然と力が抜けやすくなります。
◆練習方法:両足を揃えるとバランスがとりにくい方は、足を少し開いた状態からはじてみましょう。続けるうちに、体幹を使ってバランスを取れるようになり、徐々に両足を揃えてできるようになります。
◆間違った方法:膝が内側に入ってしまうのは、股関節・膝・腰に負担がかかるので、NGです。
足を開いて行う場合は、膝が内側に入らないよう、鏡を見るなど、チェックしながら行いましょう。
腰痛になりにくい、正しい階段の下り方
階段を下りるときも、上るときと同様に、膝へは体重の7倍の重さがかかるといわれています。これだけの衝撃が間違って関節や筋肉にかかると、もちろん、膝痛・腰痛のリスクは上がりますので、階段を下りるときも、正しいからだの取り扱い方のルールに沿って行うことが重要です。
正しい階段の下り方
階段を上るときは、かかとから着地するのが正しい上り方でしたが、階段を下りるときは、つま先から着地するのが正しい下り方です。
- つま先からついている
- 膝・つま先の向きが揃っていて、膝・つま先・股関節が一直線上にある
上るときは、主にお尻の筋肉が使われていましたが、下りるときは、主に太ももの前の筋肉が使われています。
よく「膝が笑う」といいますが、これは、太ももの前の筋肉は膝の横までついているため、負荷がかかり続けて太ももの前の筋肉が疲労した結果、起きるものです。
間違った階段の下り方
階段を下りるときは、上半身はまっすぐの状態になるため、上るときに比べて間違った動きにはなりにくいですが、片側で荷物を持つなどして、上半身が左右どちらかに傾いてしまうと、左右の筋肉・筋膜のゆがみが原因で、腰痛になることも考えられます。
- 上半身が、左右どちらかに傾いている
ヒールを履く方は要注意
腰痛予防のための太もものストレッチ法
ヒールを履くと、太ももの前の筋肉は常に収縮した状態になります。ヒールを履いて、階段を下りるときには、通常よりもさらに太ももの前の筋肉へ体重がかかっています。
じつは、太ももの前の筋肉が硬くなると、太ももから首までつながっている、からだの前面の筋膜が縮まって硬くなります。その結果、背面の筋膜が引っ張られた状態で硬くなり、腰痛になることもあるのです。
ヒールを履いた日は、太ももの前の筋肉が収縮したまま硬くなる前に、その日のうちにストレッチを行って、元に戻して翌日を迎えることが、腰痛予防に繋がります。
このストレッチは、デスクワークの方、猫背や反り腰の方、山登りやランニングをされる方にもおすすめしています。
- 片足の膝を曲げ、もう片足の膝は伸ばした状態で、後ろに手をついて座ります。
- 膝を曲げた足から対角線上の片肘をつくように、膝を曲げた足の太ももの前側が伸びているのを感じるところまで、上半身を倒したら、90秒ストレッチします。
- 反対の足も同様に行います。
◆さらにストレッチできる方法:
上半身を倒して、仰向けの状態まで寝ることができれば、より太ももの前にストレッチをかけられ、腰痛予防にもつながります。
腰痛になりにくい、正しいモノの拾い方(しゃがみ方)
モノを拾うときに、どうやって拾っていますか?
腰痛の方に多いのが、間違ったモノの拾い方(しゃがみ方)をしているケースです。
まずは、正しいモノの拾い方(しゃがみ方)から見ていきましょう。
正しいモノの拾い方(しゃがみ方)
正しい=腰痛になりにくいモノの拾い方(しゃがみ方)で意識してほしいのは、2つのポイントです。
- 膝を曲げて、股関節から上半身を前傾させて、背骨と脛(すね)が平行になる
- 片足ずつ、膝とつま先の向きが揃っていて、膝・つま先・股関節が一直線上にある
間違ったモノの拾い方
腰からからだを二つに折るようにモノを拾ってしまう方は、腰にダイレクトに負担がかかってしまいます。もし、当てはまる方は、すぐに改善が必要です。間違ったモノの拾い方(しゃがみ方)をしていないかチェックしてみましょう。
- 膝を曲げずに、からだを二つ折りにしている
- 膝を曲げたときに、膝だけが内側に入ってしまう
とくに腰痛の方に多いのが、「1.膝を曲げずに、からだを二つ折りにしている」方。上半身やモノの重さの負荷が一極集中で腰へかかかり、腰痛リスクに直結してしまう間違った動きです。
実際、小学生でもこの間違った拾い方(しゃがみ方)をしていて、腰痛持ちのお子さんもいらっしゃいます。毎日繰り返す動きは、幼少期から、正しいからだの使い方を知って行うことが重要なことが分かります。
「2.膝を曲げたときに、膝だけが内側に入ってしまう」方は、股関節や膝へ負担がかかる、腰が反りやすい、腹筋やお尻の筋肉が使われにくくなるため、腰痛・股関節痛・膝痛につながる可能性があります。こちらも気づいたら早めに改善していくのが、痛みの予防につながります。
腰痛になりにくい、正しいモノの持ち上げ方(かがみ方)
モノを持ち上げようとして、腰痛やギックリ腰になった経験のある方も多いのではないでしょうか?ほとんどの方が、間違った持ち上げ方(かがみ方)を繰り返した結果、腰に負担がかかっているのが原因となっています。
とくに、育児や介護など、頻繁に重さのあるなにかを持ち上げる必要がある方は、間違った持ち上げ方(かがみ方)のまま繰り返していると、かなりの負担が腰に集中してしまいます。重さの負担が大きい分、できるだけ早く、正しい持ち上げ方(かがみ方)へ改善することが必要です。
正しいモノの持ち上げ方(かがみ方)
腰痛になりにくいモノの持ち上げ方(かがみ方)のポイントは、以下の2点です。
- 膝を曲げて、股関節から上半身を前傾させる
- 持ち上げるときに、背骨と脛(すね)が平行になる
- 膝・つま先の向きが揃い、膝・つま先・股関節が軸として一直線上にある
間違ったモノの持ち上げ方(かがみ方)
前述したとおり、介護や、育児などで腰を痛めてしまう方は、間違った持ち上げ方(かがみ方)が原因になっている方がほとんどです。
筋力のあるなしに関わらず、正しい持ち上げ方(かがみ方)に改善することが、腰痛予防に最優先になります。
- 股関節から上半身を倒さずに、背中を丸めている
- 膝が内側に入っている
1・2ともに、腹筋、お尻や足の筋肉までが使われにくくなるため、持ち上げようとするモノの重さが、腰へ集中してかかってしまいます。間違った持ち上げ方(かがみ方)で、毎日のように重いものを持って繰り返すと、慢性の腰痛、ぎっくり腰など、日常生活に支障をきたすほど重度の腰痛になることもあります。
チェックに当てはまる方は、重症化しないためにも、早めに意識して正しい持ち上げ方(かがみ方)へ改善が必要です。
筋力に不安のある方の持ち上げ方(かがみ方)のコツ
筋力に不安のある方は、持ち上げるモノをからだに近いところで持ち上げる(かがむ)と、体幹をメインで使いやすくなるため、腰への負担を軽減できます。
持ち上げるモノがからだから遠いほど、手や腕、肩、首、といった末端の筋力が働き、腹筋や体幹が入りづらくなるため、腰への負担が大きくなってしまいます。さらに、前述のとおり背中が丸まっていれば、腰の負担は倍増してしまいます。
いまのからだの取り扱い方を知ることが、腰痛改善・予防のファーストステップ
今回は、日常生活で繰り返す、「上る」「下りる」「しゃがむ」「かがむ」4つの動きについて、
正しい=腰痛になりにくい取り扱い方
間違った=腰痛になりやすい取り扱い方
を、それぞれ紹介してきました。
同じ動作でも、間違ったまま繰り返していると、知らず知らず腰痛の原因に、正しくできていれば、からだを長く痛まずに使い続けられます。
せっかくマッサージや、ストレッチ、運動や、温めるなど、腰痛対策を行っていても、もっとも多くの時間を過ごし、繰り返す日常生活のからだの使い方が間違っていれば、腰痛の根本的な解決にはならず、痛みが再発してしまう可能性が高まります。
つまり、正しいからだの取り扱い方で、日常生活を過ごせることが、腰痛改善・予防のファーストステップになります。
そのためにも、まずは、いま日常でどんなからだの取り扱い方をしているか知ることから始まります。今回のチェックで、間違ったからだの取り扱い方に一つでも気づけた方は、腰痛回復へ大きく一歩前進しています。
ここで、長年のくせをすぐに変えられないといって焦ってはいけません。幼少期から、無意識に行ってきたからだの使い方をすぐにやめることは難しいものですので、次のステップを心がけてください。
- チェック項目で、間違ったからだの取り扱い方をしていることを認識する
- 日常生活の中で、間違ったからだの取り扱い方に気づくように意識する
- 気づいたときに、間違った使い方を直し、正しいからだの取り扱い方が自然にできるよう、少しずつ意識して変えていく
できるところからはじめ、腰痛になりにくい正しい姿勢を習慣化していきましょう。
腰痛予防・改善に不安のある方は…
・怪我や手術の経験がある
・痛みがある
・ゆがみがある
・筋力が落ちている
・からだの取り扱い方を自分で改善するのは難しそう
など、腰痛予防・改善したいけれど不安のある方は、お問合せください。
30分無料相談も行っています。
腰痛ワンのリカバリープログラムは、ひとり一人のからだの状態を見極めたうえで、腰痛予防、改善のサポートをさせていただきます。
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