姿勢改善しませんか? 腰痛予防・改善に必須の正しい立ち方・座り方

腰痛

腰痛予防・改善に必須の正しい立ち方・座り方

腰痛の原因は姿勢だと分かっているけれど、正しい姿勢とは、どうしたら良いかわからない方も多いのではないでしょうか?

一言に、姿勢といっても、日常生活にはさまざまな姿勢があり、それぞれに、腰痛になりにくいルールがあります。もっとも多くの時間を費やす日常生活で、正しい姿勢をキープできることが、腰痛予防・改善に一番の近道です。

今回は、腰痛になりにくい「座り方」「立ち方」、そして「荷物の持ち上げ方」「モノの拾い方」も、ご紹介します。

この記事はこんな人に役立ちます

腰痛に悩んでいて、以下の項目に心当たりがある方
・デスクワークで長時間座っていることが多い
・よく運転をする
・床に座ることがある
・座るときや、立つときに痛みを感じる

あなたの姿勢は大丈夫? 姿勢改善が大切な理由

腰痛予防・改善には、なぜ姿勢改善が大切なのでしょうか?

腰痛には、さまざまな原因が考えられますが、姿勢が悪いことで腰に必要以上の負担がかかることが、腰痛の原因のひとつです。

さらに、姿勢の悪さは癖になっていることが多く、いくら治療や施術をしたところで、根本原因が解決しなければ、すぐに再発します。だからこそ、腰痛を改善したいと願うならば、姿勢改善は切っても切り離せないのです。

そもそも腰は負担がかかりやすい

「腰」は、「月(にくづき・月が簡略化したもの)に要(かなめ)」と書きます。「腹筋」と「腰まわりの筋肉」は、前と後ろで対になり、内臓を守りながら、からだの中心を支える重要な役割を担っています。まさにからだの「要(かなめ)」です。

しかし、同時に、二足歩行の人間にとって、腰は首とともにとくに負担のかかりやすい場所でもあります。

なぜなら、腰の部分にあたるあばらと骨盤の間にある骨は「背骨」のみで、あとは「腹筋」と「腰まわり」でからだを支えなければならないからです。

姿勢が悪いと腰痛になりやすい理由

では、姿勢が悪いと、なぜ腰痛になりやすいのでしょうか?

答えはシンプル。

ただでさえ腰は負担がかかりやすい場所なのに、姿勢が悪いとからだがゆがみ、筋肉や骨に余計な負担がかかり、腰への負担が倍増するからです。

姿勢が悪いと、まず「腹筋」の働きが弱くなります。腹筋に必要な伸び縮みが制限され、腹筋に力が入りづらくなるためです。

からだの前方にある「腹筋」の働きが弱まると、後方にある「腰まわりの筋肉」がその分を補うために働くことになり酷使されることになります。

こうして、からだの「要(かなめ)」となる腰まわりに必要以上の負荷がかかり、働きすぎた「腰まわりの筋肉や筋膜」が硬くなり、その結果、腰痛が起こるのです。

なお「腰まわりの筋肉」は「猫背」などの前かがみの姿勢を続けると、伸びた状態で固まり、反対に「反り腰」では縮まって固まります。どちらの場合も腰痛になることがあるので気をつけましょう。

さらに腰痛は、筋肉の硬さだけなく、「腹筋」や「腰まわりの筋肉」の働きが弱くなることも原因になります。「背骨」を正しい位置で支えられなくなり、関節や神経に影響が出て起こることが考えられるからです。

このように、間違った姿勢のままでは、マッサージや施術で一時的に痛みが改善しても、根本的な原因の解決にはならず、腰痛を繰り返す原因となってしまうのです。

腰への負担がもっとも大きいのは「座っている姿勢」

腰が、もともと負担のかかりやすい部分なのは前述のとおりです。では、どんな姿勢が腰への負担が大きいのでしょうか?

「寝ているとき」、「立っているとき」、「座っているとき」の中で、もっとも腰に負担がかかるのは、「座っているとき」の姿勢です。

姿勢による腰への負担を表す例として、整形外科・ナッケムソンの研究データ「姿勢の変化による椎間板内圧の変化」が引用されることがよくあります。これは、「立っているときの腰への負担を100%」とした場合に、それぞれの姿勢での腰への負担を数値化したものです。

姿勢の変化による椎間板内圧の変化

姿勢の変化による椎間板内圧の変化(整形外科・ナッケムソンの研究データ)
出典:Nachemson : The lumbar spine an orthopaedic challenge,Spine 1 59-71, 1976

仰向けに寝た状態:25%
立っているときの腰への負担:100%
正しい座り方で座っている状態:140%
前屈みの姿勢で座っている状態:185%
前屈みで荷物を持ち上げる動作:275%

正しく座っていても、立っているよりも腰への負荷が高いことが一目瞭然です。

背骨のS字カーブは腰が丸まるほど負担

背骨は、S字を描くようにカーブしています。

これは、四つ足の哺乳類から、ヒトが二足直立に進化する過程でできたものです。

ヒトも、赤ちゃんのときは、背中全体が丸まった(後湾)Cカーブですが、首が座り、立つ姿勢を安定させるために、成長過程で背骨に反る(前湾)カーブが生まれていきます。

背骨の腰の部分(腰椎・ようつい)は、反った(前湾)形状になります。これが、自然なカーブとなります。

この背骨の腰の部分の反ったカーブ(腰椎の前湾)は、腰が丸まる姿勢になるほど、腰に負担がかかりやすくなります

つまり、腰が丸まる座る姿勢がもっとも腰に負担のかかる姿勢と言えます。

腰痛になりにくい座り方

腰痛になりにくい座り方ができているかどうかのチェックポイントは、下記の3つです。

  1. 骨盤の左右の高さが揃っている
  2. 背骨のゆがみなく真っすぐな状態
  3. 膝・つま先の向きが揃い、正面から見たときに膝・つま先・股関節が一直線上にある

これが、人間の骨格の構造上、関節や筋肉にもっとも負担がかかりにくく、腰痛になりにくい座り方です。ぜひ、鏡の前でチェックしてみてください。

正しい座り方①座り方の基本

椅子での正しい座り方の基本は、先ほどの3つのポイントを押さえていればOKです。

  1. 骨盤の左右の高さが揃っている
  2. 背骨のゆがみなく真っすぐな状態
  3. 膝・つま先の向きが揃い、正面から見たときに膝・つま先・股関節が一直線上にある
正しい座り方の基本(骨盤の高さ揃い左右骨盤ゆがみがない、膝つま先の向きが揃い、正面から見たときに膝・つま先・股関節が一直線上にある)




正しい座り方(背骨がまっすぐ伸びている)

では、間違った座り方はどういうものでしょうか。間違った座り方は、関節や筋肉に負担がかかりやすく、腰痛になりやすい座り方です。

間違った椅子への座り方を3つご紹介しますので、日常生活で無意識に行っていないか確認してみてください。

間違った座り方3選

1. 「足を組む」

「足を組むのは良くない」というのは、聞いたことが多いのではないでしょうか。

なぜ、良くないのか?

椅子での正しい姿勢となる3つのポイントをことごとく守ることができず、からだをゆがめてしまうからです。

足を組むと…

  1. 骨盤の左右の高さが揃っている(×)
  2. 背骨のゆがみなく真っすぐな状態(×)
  3. 膝・つま先の向きが揃い、正面から見たときに膝・つま先・股関節が一直線上にある(×)
間(足を組む)

習慣で、いつも同じ足の組み方をされる方は、とくに気をつけてください。

長時間の背骨や骨盤のゆがみを脳とからだが記憶し、筋肉・筋膜がゆがんだまま硬くなってしまいます。
そうなると、腰痛だけでなく、その他の関節や筋肉を痛めるリスクも高くなります。

「左右の足を組み替えれば大丈夫ですか?」というご質問もいただきますが、答えはNO!

足を組み替えても、正しい座り方の3つのポイントは守ることができません。腰に負担がかかってしまうため、「足を組まない」ことが、腰痛予防・改善への大切な第一歩です。

2. 「頬杖(ほおづえ)をつく」

頬杖をつくと、背骨がゆがみます。具体的に見ていきましょう。

◎左右どちらかの肘を立てて「頬杖をつく」

間違った座り方(頬杖をつく)


左右どちらかの肘を立てて顔を乗せているとき、「腰まわりの筋肉」がどうなっているのか想像してみてください。

肘をついた側の筋肉は縮まって、反対側は伸びた状態です。この姿勢で筋肉が固まることで、腰痛になりやすくなります。

◎両膝を立てて「頬杖をつく」

両肘を立てた頬杖ならば、バランスが良いかというと、そうではありません。

両肘を立てて顔を乗せた状態では、肩が前に入り、背骨が大きく後湾(後ろに曲がる)します。すると背中全体、つまり「腰まわりの筋肉」も伸びて硬くなり、腰痛になりやすくなります。

頬杖をつく癖のある方は、意識して行わないようにしましょう。

3. 「膝が内側に入った座り方」

とくに女性に多いのですが、「膝が内側に入った座り方」は、腰、膝、股関節に負担のかかる座り方です。

間違った座り方(膝が内側に入る)

股関節、膝、足首への負担は、股関節痛、膝痛だけでなく、筋膜で繋がる腰へも影響し、腰痛として現れるケースがあります。

膝が内側に入ると、骨格上、腰が反りやすくなり、長時間腰が反った状態で座っていると、腰の筋肉が縮まったまま固まりやすくなるためです。

正しい座り方をするために、「足を揃えて座る」、「足の間にタオルを挟む」などを実践してみてください。足を開いていても、股関節、膝、足首がからだの軸の一直線上にあれば問題ありません。

正しい座り方②デスクワークのとき

デスクワークでは、長時間座っていることになるため、正しい座り方をすることは大切です。

デスクワークでの正しい座り方は、基本の座り方「①骨盤の左右の高さが揃っている」「②背骨がゆがみなく真っすぐな状態」「③膝・つま先の向きが揃い、正面から見たときに一直線上にある」を守った上で、デスクワークならではのポイントを守る必要があります。

パソコンの位置

からだの状態だけでなく、パソコンの位置がからだに大きく影響します。

パソコンが、からだの正面より斜めの位置にあったことで、からだがねじれた状態で固まり、腰痛になった方もいらっしゃいます。

長時間作業するパソコンの位置は、からだの正面にある環境を整えましょう。

また、パソコンやスマホを見るときに、首を下に傾けると、頸椎に頭の重さ以上の負荷がかかり、首・肩に大きな負担がかかります。

首の角度と頸椎への負荷

出典:Surgical Technology Intesenational 2014 Nov:25:277-9,Assessment of Stresses in the Cervical Spine Caused by posture and Position of the Head ;Kenneth K. Hansraj

首の角度が正常な場合は、頭の重さの頸椎へかかる負荷は、4.5~5.5kgと言われています。
これでも大変な重さです。

さらに首を下に向ける角度が付くほど、
15度では12kg / 30度では18㎏ / 45度では20㎏
と、かなりの重さがかかっていくことがわかります。

これだけの負荷が頸椎へかかり続ければ、首こり・肩こりだけでなく、筋膜の繋がる腰へも影響して、腰痛になる可能性も十分考えられます。

パソコンの位置が低い方は、高くして首に負担がかからないように調整しましょう。

正しい座り方③運転するとき

運転をするときの正しい座り方のポイントは、「左右均等に両手でハンドルを持ち、背骨にゆがみのないこと」です。

反対に、運転するときの間違った座り方は、「片手でハンドルを持ち、肩肘をドアや肘掛けに置いている座り方」です。

後者だと、背骨のゆがみが起こりやすくなり、腰痛のリスクが高くなるためです。

運転中の間違った座り方(背骨にゆがみがある)

運転するときの姿勢

正しい座り方間違った座り方
左右均等に両手でハンドルを持ち、背骨にゆがみのないこと片手でハンドルを持ち、肩肘をドアや肘掛けに置いている座り方

正しい座り方④床に座るとき

床に座るときの正しい座り方は、「長座」「正座」「あぐら」「立て膝」「体育座り」です。

床に座るときの姿勢

正しい座り方間違った座り方
・長座(足を伸ばして座る)
・正座
・あぐら
・立て膝
・体育座り
・横座り(お姉さん座り、女座り)

「長座(足を揃えて前に伸ばす座り方)」「正座」「あぐら」「立て膝」「体育座り」は、股関節がまっすぐな状態になっているか、太ももが外に開くように回転している状態(外旋:がいせん、外にねじれている状態)が、股関節に負担がかかりにくい座り方と言われています。

股関節への負担は、筋膜の繋がりのある腰へも影響し、腰痛の原因にもなります。

このため、股関節に負担のない正しい床への座り方が、腰痛予防に繋がるのです。

股関節をまっすぐ使えている状態
股関節をまっすぐ使えている
股関節が外旋(外にねじれている)状態
股関節外旋(外にねじれている)
股関節が外旋(外にねじれている)状態
股関節外旋(外にねじれている)

ただし、いくら股関節に負担がかかりにくいといっても、長時間座ることはNGです。

なぜなら、血流が滞り、からだ全体が固まってしまうからです。

また、正しい座り方にもそれぞれ注意点があります。

腰痛の方は、床に座ること自体がつらいという方も多いため、腰痛の方でも座れる工夫や、腰痛予防の対策もご紹介いたします。

長座

「長座(ちょうざ)」とは、両足を前に投げ出し、足を伸ばす座り方です。

長座で座ると、左右の骨盤、肩の高さが揃い、背骨が左右のゆがみが起こりにくい状態になるため、腰への負担が少なくなります。

長座(左右の骨盤、肩の高さが揃い、背骨が左右のゆがみが起こりにくい状態)
左右骨の骨盤・肩の高さが揃い、背骨にゆがみなく座れています
背骨が自然と伸びています

ただし、長座をしても、背骨が丸まった状態や、骨盤にゆがみが出る座り方では意味がありません。片手だけを床についたり、足を重ねて座ると、ゆがみが出やすくなるので気をつけましょう。

足を伸ばせずに長座ができない場合は

腰痛の原因でとくに多いものの一つは、ハムストリングス(太ももの裏の筋肉)が硬くなっていることです。ハムストリングスが硬いと、両膝を伸ばせないため長座で座ることができません。

その場合は、軽く膝を曲げて座りましょう。

長座(ハムストリングスが硬い方は、軽く膝を曲げると座りやすくなる)
ハムストリングスが硬い方は、軽く膝を曲げると座りやすくなります

お尻に高さを出すと座りやすくなる

座布団・タオル・クッションなどでお尻に高さを出すことでも座りやすくなります。   

お風呂での注意点

湯船につかるとき、浴槽の形に合わせて長座になる方も多いのではないでしょうか?

長座は、からだの背面の筋肉・筋膜が伸びる状態です。お風呂では、からだが温まり血管が開くことで血流が良くなるので、筋肉・筋膜が緩みやすくなっています。

「血流が良くなる」「筋肉・筋膜が緩みやすい」と聞くと、良いことばかりのように聞こえますが、長時間、長座で湯船に浸かると、背面の筋肉・筋膜が伸びすぎることで、腰痛になることがあるので注意が必要です。

長時間、湯船につかる際には、長座だけでなく、ときどき正座をすることで、筋膜バランスを整えながら、からだを温めましょう。

正座

正座は、骨盤が立ちやすく、背骨が自然な湾曲をキープしやすい座り方です。骨格的に、骨盤が後傾気味の日本人にとって、正座は、腰への負担がかかりにくい座り方です。

正座(骨盤が立ち自然とまっすぐのびている)
正座(骨盤・背骨のゆがみがなく、左右均等に加重ができている)

正座をするときは、背中が丸まりすぎたり、左右どちらかに多く加重して傾いたりしないように気を付けましょう。

正座(背中が丸まりすぎている)
正座(骨盤・背骨がゆがみ、左右の加重のバランスが異なる)
痛みで正座をするのがつらい場合は

膝痛、股関節痛などで正座ができない、やりづらい方は、座布団・タオル・クッションなどお尻に高さを出す工夫をしましょう。無理をせず、椅子を用意することも大切です。

あぐら

「あぐら」には、足を組む座禅や、ヨガの基本となる座り方である安楽座(スカーサナ)など、さまざまな座り方があります。

腰への負担という点では、どの座り方も股関節を正しく使えているため、負担がかかりにくい座り方です。

今回は、もっとも簡単な、足を重ねず、前後にずらすあぐらについて紹介します。お尻が床から浮かないように座りましょう。この座り方だと、左右の膝、骨盤の高さが揃い、背骨にゆがみなく座ることができます。

あぐら(左右の膝、骨盤の高さが揃い、背骨にゆがみなく座れている状態)
左右の膝・骨盤の高さが揃い、
背骨にゆがみなく座れています
あぐら(背骨が自然とまっすぐのびている状態)
背骨が自然なカーブを描きまっすぐのびています

もし、左右どちらかを前にしたときやりにくさを感じたり、左右の膝の高さが違う、お尻が浮いてしまう状態になったら、関節もしくは、筋肉・筋膜のバランスが崩れている可能性があります。

あぐら(左右の膝の高さが違い、骨盤・背骨にゆがみがでている)
左右の膝の高さが違い、骨盤・背骨にもゆがみがでています

正しい位置が取れない方、左右どちらかがやりづらい方も、からだの中の、関節、筋肉・筋膜のバランスが崩れているサインです。無理をして続けるとさらにバランスを崩してしまう可能性があるため、あぐらをするのはやめて、ほかのゆがみが出ない座り方を選択しましょう。

あぐらがしづらい場合

腰痛の方には、股関節まわりや膝まわりの関節、筋肉・筋膜の柔軟性が不足している方が少なくありません。腰痛で床であぐらをするのがつらい場合は、座布団・タオル・クッションなどでお尻に高さを出すと、やりやすくなることがあります。足はときどき入れ替えて、固まらないようにしましょう。

股関節にはどのくらいの柔軟性が必要?

股関節の硬さを気にされる方は多いですが、あぐらで座ったときに、太ももの角度が、45度開いていれば(床から45度以下であれば)日常生活レベルで柔軟性に問題はありません。

腰痛の観点からすると、床に両膝がペタっとつくような柔軟性を目指すより、左右のバランスが整っていることの方が重要です。

45度以上、太ももが開かない方は、股関節の硬さが腰痛の原因になる可能性があります。しかし、柔らかくしようと、無理矢理ストレッチだけを行っても痛めてしまうケースも多くみられます。関節可動域を広げるには、筋肉・筋膜をほぐすことも合わせて行っていく必要があります。

立て膝

片方の膝を立てて座る「立て膝」は、日本では礼儀作法的に好ましくないとされていますが、腰への負担を考えると、決して悪い座り方ではありません。

立て膝をするときは、膝を立てた足が床から垂直から外側に倒れていること(股関節がまっすぐ~外旋)、左右どちらの膝を立てても骨盤・背骨のゆがみなく座ることを意識してください。背骨が自然に伸びている状態となれば、腰への負担が少なくなります。

立て膝(膝を立てた足の股関節が垂直~外旋、左右差がなく、骨盤・背骨のゆがみない)
膝を立てた足が床から垂直の状態です
立て膝(背骨が自然とまっすぐのびている状態)
背骨が自然なカーブを描きまっすぐのびています

膝を立てた足が床から垂直より内側に倒れたり、左右どちらかの膝を立てるとやりにくい方がある場合は、骨盤・背骨にゆがみがでる状態なので気をつけましょう。

立て膝(股関節が内旋し、骨盤・背骨にゆがみがでる状態)
膝が垂直より内側に倒れ、骨盤・背骨にゆがみがでている

また、背骨が丸まりすぎていると、腰だけでなく、首・肩・内臓へも負担がかかりやすくなってしまうため、骨盤を立てて、背骨が自然と伸びる正しい座り方を目指しましょう。

立て膝(背骨が丸まりすぎている状態)
背中が丸まりすぎている

正しい位置をとれない方、左右どちらかがやりづらい方は、からだの中の、関節・筋肉・筋膜のバランスが崩れているサインです。無理をして続けるとさらにバランスを崩す可能性があるため、立て膝はやめて、ほかのゆがみが出ない座り方を選択しましょう。

問題のない方も、足はときどき入れ替えて、固まらないように気をつけてください。

立て膝がやりづらい場合は

腰痛の方で股関節まわりの柔軟性が不足している方、膝痛の方も、立て膝がやりづらい方は、座布団・タオル・クッションなどでお尻に高さを出すとやりやすくなることがあります。それでも腰が痛い場合は、無理をせず、椅子を用意する、ほかの座り方を選択するなどしましょう。

体育座り

一般的には、内臓への負担があることから避けるようにとされている「体育座り」ですが、股関節への負担が少ないという観点からは、正しい座り方と言えます。もちろん、内臓や腰への負担をかかりにくくするためには、背中を丸めすぎないことが大切です。

体育座りをすると、左右の骨盤・背骨にゆがみがなく座れるため、股関節への負担が少なくすみます。

体育座り(骨盤・背骨にゆがみがない)

体育座り(背骨がまっすぐ伸びている)

背骨が自然に伸びている状態となれば、腰への負担が少なくなります。

体育座り(背骨が丸まりすぎている)

ときどき、骨盤を転がすように前後に動かして、腰が固まること、内臓を圧迫しすぎるのを予防するのがおすすめです。

体育座りがしづらい場合

体育座りがしづらいときは、座布団・タオル・クッションなどでお尻に高さを出すとやりやすくなることがあります。

体育座り(お尻に高さを出すと座りやすくなる)

ここまで、「長座」「正座」「あぐら」「立て膝」と紹介してきましたが。腰痛の方は、関節や筋肉・筋膜の柔軟性が不足していることが多く、「そもそも床へ座ることがつらい」という方がたくさんいらっしゃいます。

「体育座り」は、この中では比較的柔軟性がなくてもできる座り方です。注意点を守って、無理なく床に座ることを心がけてみてください。

床への正しい座り方のポイントを一覧にまとめたので参考にしてみてください。

床への正しい座り方

座り方理想の状態腰痛予防の対策腰痛の方は…
長座(正面)
・左右の骨盤・肩の高さが揃っていて、背骨にゆがみがない
(横)
・背骨が自然なS字を描き伸びている
~お風呂では~
・浴槽の形に合わせて長座で浸かることで、腰の筋肉が伸びすぎないように、浴槽に浸かる場合は、長座と正座を交互にするようにする
・ハムストリングス(太ももの裏)が硬く、膝が伸びない方は、膝を軽く曲げる

・座布団・タオル・クッションなどでお尻に高さを出す
正座(正面)
・左右均等に加重できる
・左右の骨盤・肩の高さが揃っていて、背骨にゆがみがない
(横)
・骨盤が立ち、背骨は自然なS字を描き伸びている
※正座は、骨盤が後傾気味の日本人の骨格では、骨盤が前傾し、背骨が自然な湾曲で伸びて安定する座り方だと言われています
・座布団・タオル・クッションなどでお尻に高さを出す
あぐら(正面)
・足を組まずに前後にずらして行うあぐらで、左右どちらの足を前にしても同じようにできる
・左右膝の高さが同じ
・左右の骨盤・肩の高さが揃っていて、背骨にゆがみがない
・同じ足の組み方はゆがみを作るため、左右の足を組み替えるようにする・座布団・タオル・クッションなどでお尻に高さを出す
立て膝(正面)
・立てた膝が床から垂直~外側に倒れている状態
・左右どちらの膝を立てても、やりにくい方がない
・左右の骨盤・肩の高さが揃っていて、背骨にゆがみがない
(横)
・背骨が自然なS字を描き伸びている
・片側だけの膝を立てる癖は、ゆがみを作るため、膝は変えるようにする・座布団・タオル・クッションなどでお尻に高さを出す
体育座り(正面)
・左右の骨盤・肩の高さが揃っていて、背骨にゆがみがない
・ときどき骨盤を前後に転がして動かす・座布団・タオル・クッションなどでお尻に高さを出す

以上の注意点を守った床への座り方は、股関節への負担だけでなく、背骨もゆがみのない状態をキープできるため、からだに負担の少ない座り方と言えます。

間違った床への座り方

反対に、間違った床への座り方は、股関節の動きが太ももの軸を中心に内側にねじれている状態(内旋:ないせん、うちに回転している状態)です

股関節がまっすぐ使えている状態
股関節がまっすぐ使えている状態
股関節が内旋(内側に回転)している状態
股関節が内旋(内側に回転)している状態
股関節が内旋(内側に回転)している状態
股関節が内旋(内側に回転)している状態

間違った床への座り方の例は、「横座り」「お姉さん座り(女座り)」です。

横座り(片方の股関節が内旋した状態)
片方(写真は右足)の股関節が内旋した状態です
お姉さん座り(女座り)(片方の股関節が内旋した状態)
両方の股関節が内旋した状態です



これらは、股関節に負担がかかるだけでなく、骨盤、背骨も左右のゆがみがでやすいため、長年この座り方を続けることで、年齢を重ねてから、腰痛や股関節、膝など痛みが出る方もいらっしゃいます。

小さなころから正しい座り方を習慣にしていただけるよう、お子さんにも正しい座り方をお伝えしています。

腰痛になりにくい立ち方・立ち上がり方

腰痛になりにくい立ち方として、静の動きである「立ち方」と、動の動きである「立ち上がり方」を紹介します。

腰痛になりにくい「立ち方」

まずは、基本となる「立ち方」から。

じつは、正しい立ち方は一つではありません。

人の立つ姿勢やからだの使い方は、横から見たときに、うまれつき大きく4つのタイプに分かれるという考え方があります。(参考:『廣戸聡一 ブレインノート脳と骨格で解く人体理論大全』日本文芸社)。4タイプの立ち方はそれぞれ、背骨のカーブ、骨盤の角度、足のつき方などが異なります。

4タイプは、からだの重心や、体軸の使い方を主な基準として分類されています。

4タイプの重心

つま先・内側つま先・外側
かかと・内側かかと・外側

4タイプにはそれぞれ正しい立つ姿勢がありますが、この4タイプの基準となる立ち方を紹介します。

・横から見たときに、耳・肩・腰(骨盤の中心)・膝の前側・くるぶしの5cmくらい前、がほぼ一直線上に並んでいる

これが、人間の骨格に無理のない立ち方と考えられているため、筋肉や筋膜への負荷も最小限になり、腰痛になりにくい立ち方と言えます。

写真を撮ってみるなどして、ご自身の立ち方をまずチェックしてみましょう。

腰痛になりにくい「立ち上がり方」

椅子や、床から立ち上がるときにも、正しい立ち方の基本があります。

1. 股関節から上半身を前傾させて、背骨と脛(すね)が平行になっている状態で、立ち上がる

椅子からの正しい立ち上がり方の基本(上半身前傾させ、脛と背骨が平行になる)

2. 膝・つま先の向きが揃い、正面から見たときに膝・つま先・股関節が一直線上にある状態で立ち上がる

正しい立ち上がり方(膝・つま先の向きが揃い、膝・つま先・股関節が一直線上にある)

◎正しい立ち上がり方のチェック方法

正しい立ち上がり方ができているときは、立ち上がったときにお尻の筋肉がキュッと引き締まります。

お尻の筋肉が使われるようになることで、腰の筋肉、膝の関節に最も負担をかけずに立ち上がることができます。

正しく立てているかどうかを確認するには、手をお尻に当てて、近くにある椅子で「立つ」⇔「座る」を繰り返してみてください。お尻がキュッと硬くなったら、正しく立てているサインです。

1日のうちに、無意識に何度も繰り返す「立つ」⇔「座る」動作は、全身の関節や筋肉を使った動きのため、正しい立ち方は、それだけで日常でスクワットをしているような筋力アップや骨密度アップのトレーニングになります。

間違った立ち方は、関節や筋肉の負担になるので、正しい立ち方を練習しましょう。

腰痛になりやすい動作にも要注意

腰痛の原因になる姿勢には、「静」(止まった状態)の姿勢だけでなく、「動」(動き)の姿勢も大きく関係してきます。

先ほど紹介した「立つ(立ち上がる)」「座る」動作のほかに、
階段を「上る」「下りる」モノを「拾う」(しゃがむ)・「持ち上げる」(かがむ)といった、6つのすべての姿勢と動きを正しく行うことが、腰痛予防には重要です。

これらを、間違ったからだの取り扱い方で、日常的に繰り返していると、小学生でも腰痛になる方もいるほどです。いま自分が、間違った動作をしていないか、まずはチェックしてみましょう。

階段を「上る」「下りる」、「しゃがむ」「かがむ」についてのコラムはコチラ 
☞ 腰痛改善・予防に必須の、正しい階段の上り方・下り方、モノの拾い方・持ち上げ方

正しい姿勢でも長時間同じ姿勢はNG!

ここまで正しい姿勢についてご紹介してきましたが、じつは正しい姿勢を実践するだけでは安心できません。

正しい姿勢でも、長時間同じ姿勢のままだと、筋肉や筋膜は硬くなります。筋肉や筋膜は、血流が滞ることでも硬くなるからです。

たとえば座る姿勢では、腰は固定され、動きがほとんどないだけでなく、股関節を曲げた状態は、下半身からの血流も滞りやすくなるため、腰まわりの筋肉や筋膜が硬くなりやすい状態です。

こまめにからだを動かすのがおすすめ

同じ姿勢で長時間いなければならないときには、できるだけこまめに、1~2時間に1回は、動くようにしましょう。トイレに行く、飲み物を取りに行く、などでもよいので、とにかく立ったり、少し歩いたりなど、からだを動かすことで、血流が滞るのを防ぎ、腰痛予防になります。

運転など、立つのが難しい場合は、座ったまま骨盤を前後左右に転がすだけでも、筋肉が硬くなるのを防げます。

からだをほぐす「仙腸関節ほぐし・はがし」

ここで、からだをほぐす基本のリカバリ―体操「仙腸関節ほぐし・はがし」を紹介します。

仙腸関節(せんちょうかんせつ:骨盤の仙骨と腸骨をつなぐ関節)は、すべての動きのはじまりといわれています。たとえば、手を伸ばす動作ひとつとっても、仙腸関節を起点に動いています。

しかしすべての動きの起点となる分、常に動いている部分でもあるため、放っておくと硬くなりやすいので注意が必要です。仙腸関節は腰に近いため、ここが硬くなることで腰痛になる方も少なくありません。

ユニット0 仙腸関節
仙腸関節

「仙腸関節ほぐし・はがし」では、関節やそのまわりの筋肉・筋膜が固まるのを防ぎ、動きやすい状態に戻していきます。

「仙腸関節ほぐし・はがし」は、からだの要の部分のケアなので、腰痛の方だけでなく、全ての方におすすめです。毎日行っていただきたいので、もっとも基本のリカバリ―体操としてぜひ覚えてください。

仙腸関節ほぐし・はがし

ステップ①
仰向けになり、両膝を立てて、リラックスしてください。

ステップ②
お尻を上げて、リカバリ―ボールを、お尻の上の方の出っ張っている骨の外側斜め下あたりに置き(図1の位置)、ボールがずれないように手を添えてください。

仙腸関節リカバリ―ボール当てる位置
リカバリ―ボールを当てる位置

図は、ボールを当てる位置の目安です。仙骨という硬い骨の部分は避けて、やわらかいお尻の部分にボールを置いてください。

この状態から基本動作を行います。

●基本動作
両足を揃えたままゆっくりと左右に90秒、倒します。

※痛みが強すぎる方は、動かさなくても大丈夫です。

リカバリ―体操 仙腸関節ほぐし・はがし
リカバリ―体操 仙腸関節ほぐし・はがし

ステップ③
左右のリカバリーボールを、ボール1つ分、斜め下にずらし(図2の位置)、基本動作を行います。

ステップ④
さらに、ボール1つ分斜め下にずらし(図3の位置)、基本動作を行います。

ステップ⑤
こんどは、ボール1つ分外側に真横にずらし(図4の位置)、基本動作を行います。

ステップ⑥
ステップ⑤の位置から、ボール1つ分、真上にずらし(図5の位置)、基本動作を行います。

ステップ⑦ステップ⑥の位置から、ボール1つ分、真上にずらし(図6の位置)、基本動作を行います。

※⑦は、②のボール1つ分外側の真横にきます。

ポイント

・必ず、90秒を目安に行ってください。筋肉・筋膜がゆるむのに必要な時間です。

【注意】
・1箇所、5分以上は行わないでください。
・リカバリースタジオONEでは、必ず対面でのセッションを行ったうえで、お客様のからだの状態にあわせて、実施する場所(床、マット、ベッドの上等)、時間、使う道具なども細かく考慮したうえで、必要な「リカバリー体操」を提供しています。

ひとり一人おからだの状態は異なります。セッションなしでリカバリー体操をご自分で試される場合には、痛みや違和感があるときは、ただちに体操をやめていただくようお願いいたします。

腰痛予防のための姿勢改善

ここまで、腰痛になりにくい「座る」「立つ」「荷物を持ち上げる」「モノを拾う」それぞれの姿勢を紹介してきました。

しかし、ひとつの動作だけ姿勢を正しくしても意味がありません。

同様に、いくらマッサージや施術を受けても、スポーツやストレッチを行ってからだを一時的に整えても、もっとも多くの時間を過ごす日常生活の姿勢が悪ければ、腰痛の根本的な解決にはならず、痛みが再発してしまう可能性が高まります。

正しい姿勢で、日常生活を過ごすことが、腰痛予防・改善には、もっとも重要であり、一番の近道です。

とはいえ長年、無意識に行ってきた姿勢は、間違っているとわかっても、すぐにやめることは難しいものです。

腰痛予防・改善のために、まずは次のステップを心がけてください。

  1. 間違った姿勢をしていることを認識する
  2. 日常生活で間違った姿勢に気づく
  3. 間違った姿勢を少しずつ直し、正しい姿勢に変えていく

できるところからはじめ、腰痛になりにくい正しい姿勢を習慣化していきましょう。

腰痛予防・改善に不安のある方は…

・怪我や手術の経験がある
・痛みがある
・ゆがみがある
・筋力が落ちている

など、腰痛予防・改善したいけれど不安のある方は、お問合せください。

腰痛ワンのリカバリ―プログラムは、ひとり一人のからだの状態を見極めたうえで、ぴったりの腰痛予防、改善のリカバリ―体操をお伝えさせていただきます。